2023年5月3日、4日と二日間で開催されたSUPERCOMICCITY30に
初めてサークル側として参加させて頂きました。
この日を迎えるまでのことや当日の感想などを思い出として書き綴っていこうと思います。
また、初参加するにあたって不安だらけで毎日のように
「サークル参加 不安」「サークル初参加 売れない」「サークル参加 初めて」といったワードを検索し続け
当日まで沢山の初参加レポを拝見してきました。
皆さんの初参加レポがとてもためになったので、これから本を作りたい、
またはこれからサークル参加してみたいという方のお力に少しでもなれたら幸いです。
・同人誌の部数の話
・同人イベントに向けて用意した方がいいもの など
筆者の基本情報
スパコミレポの前に、筆者の簡単な情報だけ記載しておきます。(※2023年5月の情報です)
- 創作歴は一年ほど
- 現在超大手ジャンルの文字書き夢女
- ピクシブフォロワー約450人
- ツイッターフォロワー約140人
- 今のところすけべは書いてない
こんな感じで旬ジャンルの文字書きとしてはあまりフォロワーさんは多い方じゃないと思います。
推しへの愛だけで同人活動してきた結果、作家同士であまり交流などもなく。
もし「これ書いてる奴、アイツか・・・?」となっても、ツッコまないでそっとしておいて頂けると幸いです。
特に大バズりみたいな作品もなく「正直俺の本、需要ある?」という感じだったのですが、
別ジャンルで長いこと文字書きをしている友人の後押しもあり、本作りにチャレンジしてみることにしました。
なぜ創作を始めたのか
もう生涯ここまで推せるジャンルとキャラクターは居ないな、というくらい
このジャンルにハマっていること。
また偶然にも身近に創作活動をしている友人に勧められたことがきっかけです。
本当は夢絵を描きたかったのですが、素敵な絵師さんと自分の絵を比べてしまい(悪い癖です)
自分が描いても…という消極的な気持ちになってしまいました。
文章に関しては全く別物ですが生業にしていることもあり、
絵よりもそれなりにスラスラと書ける自信がありました。
自分が書きたいシチュエーションが文にだったら起こせるかも!と思ったので、小説を書くことにしました。
約三ヶ月の原稿期間
複数の印刷会社さんから資料請求をして費用面も考え、最終的に本作り初心者に優しいことで有名な
「STARBOOKS(スターブックス)」さんで本を作ることにしました。
お値段はそこそこしましたが締切日を早くすれば大幅な割引があったり、テンプレートが充実していたり、
本自体の質が高いということが決め手です。
次いつ作れるか分からないし、思い切って自分が満足いくような仕様で作ることに。
昨年の12月頃に何となく仕様を決めて申し込みし、締切日は一旦3月の中旬に定めました。
部数はとても悩みましたが、在庫を抱えてたと想定して家に置いておいても邪魔にならず、
かつ費用面も負担にならない数を考慮して30部にしました。
このとき部数アンケートはやっていません。回答が全くなかったらちょっと心にキそうだったので(笑)
期限を定めればそれなりにモチベーションが上がるというか、
ここで初めて「我、同人作家してるな~~!?」と自覚しました。
ツイッターの名前は「○○@原稿」と図々しくも記載。これ、ちょっと憧れでした。
ページ番号やノンブル、誤字脱字チェックなどは全て紙で印刷をして友人に朱記入れしてもらいました。
自分の癖やどんなシチュが好きなのかなどの傾向は見事にバレますが、
第三者の目を入れるだけでもかなりミスを防げます。
約200枚の原稿です。
紙として印刷してチェックするのはとてもおすすめしたい方法なのですが、
印刷コストがそれなりにかかるのがデメリットです。
幸いにも職業柄、印刷できる環境がありお金はかからなかったのでありがたいです。
本の内容ですが、ピクシブに上げていた短編の再録集と書き下ろし一話の本だったので
三ヶ月の原稿期間はそこまでシビアではなかったです。
ただ小説の表紙とカバーも全て自身で行ったので、word以外にもフォトショップを使ったりする作業もあり
慣れるまでは少し大変でした。
あとこの原稿期間は絶賛スランプに陥っていたので、たった一話の書き下ろしに苦戦。
それとさらにアクシデント。
「いざ、入稿!」の手前で原稿データを全部すっ飛ばしました。
思い出すだけで自分のアホさ加減が嫌になるので、どうしてそうなったのかは割愛します。
みなさんちゃんとバックアップは取りましょう。
こんな感じで原稿期間は思わぬスランプだったりアクシデントだったりもあれば
人によっては普段使い慣れないソフトを使ったりすることになるので、
初めての本作りでは三ヶ月とは言わずゆとりをもって締切は決めた方がいいと思います。
この時点でツイッターの名前は「○○@脱稿」に変更。
見事脱稿宣言をツイートするのであった。
入稿後、ちょうど春コミの時期ということもあって自分のデータチェックまではかなり時間がかかっていました。
スターブックスさんでは原稿チェックの進捗が反映されるのですが、
しばらくは全く進捗がなく脱稿したような脱稿していないような、という曖昧な時期がしばらく続きました。
不安はありましたがいつ自分の番が来るのか待ち遠しく、毎日ログインして見ていました(笑)
おかげでシルバーポイントがどんどん貯まっていきましたね。(分かる人には分かるやつ)
あの時期も楽しかったです。
不備は特になかったのですが仕様についての確認電話が来て、細かくチェックしてくれていたことに感激です。
俺の本が来た。
その日は突然やって来た。
スパコミの申し込みを済ませ、しばらくするとスターブックスさんから発送の連絡が来ました。
今回は本の確認がしたかったので会場送りにせず自宅配送に。
自分が魂を込めて作った本が、ちゃんと形になっていて感動しました。
すご…本当に出来てるじゃん。あれ、私ってこんなに天才だったっけ…。
と、自画自賛の嵐。脳内はすっかりお花畑です。
まあここまでよく頑張ったので、この瞬間くらい自分を褒め倒してもバチは当たらないでしょう。
30部の注文でしたが、余部として5部付属していました。
ちなみにページ数は最終的に約200ページほどの文庫本です。
ちゃんと厚みがあって「小説」になっています。
本が完成したらもうこっちのもんです。
あとは諸々細かい準備を済ませてスパコミに備えます。
本作り以外の準備
本づくりが無事に終了したあと、無配のしおりを作りました。
しおりは「おたクラブ」さんで作成。
おたクラブさんはとにかく納期が早い上にコストが安い。
特典や無配作りにはもってこいの印刷会社さんです。
カバーと表紙作りでフォトショップでのデータ作成は予習済みなので、
サクッとipadとフォトショップで作成後、入稿しました。
その他は会場で使用するものを準備。私が準備したものはざっくりとこんな感じです。
- 敷き布(100×100くらい)
- ポップスタンド
- A3お品書きポスター(光沢紙で印刷)
- 見本紙を立てるミニイーゼル(ダイソー)
- 値札
- お釣り
-
推し作家さんへの差し入れ
この他にもはさみやマステ、ごみ袋なども持っていきました。
値札、お品書きはcanvaで作成して印刷。
お品書きはこういうT字のポップスタンドに付けた方が周囲に見やすくおすすめです。
https://www.amazon.co.jp/
私はお品書きをA3で印刷し、100均に売っている硬質ケースに挟んで吊るしました。
また敷き布は手芸屋さんで購入してアイロンがけをして使いました。
布は100×100くらいなら1000円もかかりませんので用意しておくといいと思います。
切りっぱなしで使うのは見栄えが悪く、かといって縫い付けるのも面倒だったので
「裁ほう上手」というボンドを使ってほつれないようにしました。
引用元:https://www.amazon.co.jp/
当日バタバタしないように、準備はなるべく万全にしていきました。
5月4日スパコミ当日
5/3のスパコミの時点で一般参加者がものすごく多いというのをSNSで知っていたので
二日目もま~~覚悟していましたが、会場に9時に着いた時点で駅周辺はとんでもないことになっていました。
ただサークル参加側の入口はスムーズで、設営は20分程で完了。
SNSで告知して開場時間まで待機です。
開場の数分前になったところで、「すいみんぶっそっく♪」の曲が流れたことは今でも記憶に残っています。
この会場は数多の「睡眠不足」によって成り立っていることを実感させられました。
10時になり拍手と共に開場。
とはいえ私のスペースにはほとんど来ないだろうと思っていたので、
この会場の空気を存分に吸ってゆっくり楽しもうと思っていましたが、そんなのも束の間。
開場してから10分経たずに一人目の方が「新刊ください」と来てくれました。
え。私の本で合ってますか?間違いないですか?
そう聞きたくなりましたが、どうやら間違いなさそうだったのでお金を頂戴し本と無配をお渡ししました。
今までサークル初参加のレポを見ていた限り初めて頒布した時の瞬間が嬉しかったとか、
忘れられないといった感想で溢れていたのですが、
最初の一冊があまりにもあっという間過ぎて、自分自身は怖いくらい冷静で手だけ震えていました。
中には欲しい本のリストを自作してその中に私の本を入れて来てくださっている方もいたりして、
そりゃあ嬉しかったです。とっても。
ですがその嬉しさを瞬時に実感する余裕がなかったのが正直なところです。
10分もしない内に数冊がお嫁にいき、終始大手ジャンルの凄さと人の多さに圧倒されていました。
3冊くらい頒布できればいいだろうと思っていたのですが、実際はその予想をはるかに上回るものでした。
数多くある素敵な作家さんと作品の中から私のスペースにお越し下さった方には感謝しかなく、
お迎えしてくれた方には出来るだけ誠意を込めるつもりでちゃんと立って接客(?)とお礼をしました。
大昔、学生のころ飲食店でバイトしていた頃よりも笑顔で受け応えした気がします。
来てくださった方、本当にありがとうございました。
スパコミを終えて分かったこと・反省点
まず一言、本当に楽しかったです。
こうして二日経った今も疲れが取れていませんが、本当に参加してよかった。
サークル側として見る景色は新鮮で、吸収できるものがあり過ぎました。
あくまでもこれは私の場合にはなりますが、今回学んだことは下記の通り。
- 無配は貰いづらい
- カップリング・値段はでかくお品書きに書く
- スマホ弄り過ぎない。友人と喋り過ぎない。
- 創作モチベが爆上がりした
- 本がすけべじゃなくても大丈夫
まず一つ目は、どうやら「無配は貰いづらい」という事。
無配なのだから本をお迎えしなくても自由に貰っていってほしいが、
多くの人は本を迎える予定がないとそもそもスペースに近寄りにくいというのが本音らしい。
無配だけでもどうぞ、と声かけをして貰っていってくれた方はたった2人で、
欲しいけどお金を払っていないから貰いづらいと遠慮してしまう人が多いように感じました。
結局無配のしおりは余ってしまったので、通販に回すことにした。(それでも余る)
次回サークル参加する際は無配は辞めて、購入特典として強制的に付けるか
100円でも値段を付けて頒布するかなどにしようかなと思いました。
二つ目は、カップリングは大きくお品書きに主張したほうが良いです。
同人イベントはあらかじめ欲しい本に目星をつけてくる人が大半ですが、
当日にフラっとお品書きを見てお迎えしてくれることも多いことに気が付きました。
というより、私の場合は今回で言うと後者のパターンが多かったです…多分。
私は『○○×夢主』というのを流し見でもカップリングが分かるようにお品書きに書き、
またどんな内容かを五段階評価で表示しました。(※例えば甘さ★5とか、ギャグ★3とか)
パッと見で「この人が何を書いているか」「どんな内容か」が分かるようにすると、
目に留めてくれる人が増えるかもしれません。
値札も同じく、値段を分かりやすく大きめに表示すると良いと思います。
それとお迎えした同人誌を読んだりスマホを弄っていたり
何かに熱中し過ぎていると近寄りにくいスペースになってしまう印象になる可能性があります。
特に午前中のピークの時間帯は、出来るだけ他のことに熱中し過ぎない方がいいかもしれません。
(まあ、サークル初参加の人間が偉そうなこと言えないのですがね)
そして同人イベントに参加することで同人活動のモチベーションが爆上がりした。
これがサークル参加したことで最もメリットに感じた部分です。
本を作ることは大変だったが、それでもまた本を作りたくなっている自分がいる。
他のサークルさんや一般参加の方から、ものすごく良い刺激を貰えました。
これは同人イベントに参加したからこそ得られるものなのだろう。
同人作家さんが仕事や家事に勤しみながらも創作マラソンをし続けている理由が分かりました。
「締め切り」という名のデスゲーム。これはクセになります。
最後に、年齢指定の本じゃないから需要がないというわけではないこと。
私は実のところ創作活動をする前、二次創作=すけべみたいな勝手な偏見があり
年齢指定本じゃないと需要がないのでは?という印象を持っていました。
だから、自分みたいなすけべをあまり書けない作家は本を読んで貰えないんじゃ…?と不安だったのですが、
そんなことはないということです。
私が今回出した本は一つもすけべ要素がないものですし、必ずしも読者さんが
エ□を欲しているわけではないことが分かりました。
もちろん創作活動をされている方なら「そりゃそうだろ」という内容だとは思いますが、
ひよっこ作家の私としては、これも大きな学びです。
【追記】新刊完売
5月にスパコミで出したこちらの本、なんと7月に完売いたしました。
在庫抱えてもいいやくらいの気持ちだったのですが、ありがたいことに自分用の一冊以外は全てお嫁に行きました。
そしてこの本を購入してくださった方の中に、私の推し作家さんがいらっしゃったようで
後日本をお迎えしたとのご連絡を頂きました。
ま~私にこんなことがあっていいのかと、本を作ったことで素敵なご縁に恵まれました。
ありがとうございます。
また次回の本製作に向けて、頑張ります!
あとがき
急いで書き綴ったので、誤字や読みづらいところが多々あるかと思います。
また随時、書きたいことをどんどん追記してどこかの誰かのためになるような記事にしていきたいです。
初めてのサークル参加は不安だらけですが、最初の一歩を踏み出せさえすれば
きっと参加してよかったと思えるはずです。
皆さんの創作活動の後押しをするきっかけに少しでもなれたら嬉しいです。